1612声 部室と食堂

2012年06月01日

起きたら雨。
と言う、今日から始まる六月にふさわしい朝を迎えた。

昼に行きつけの食堂へ寄った。
厨房でラーメンを湯切りしている彼とは、同級である。
いつもは親父さんと一緒には働いているが、今日はその姿が見えない。
聞けば、親父さんは骨折で入院中とのこと。
なので、いまは店の夜営業をいったん中止にして、昼に専念しているらしい。
不幸な話題はすぐに幸福な話題に転じて、二人目の子供の話。
もうすぐ生まれて来るらしく、その準備をぼちぼちせねばと言っていたが、
結婚もしておらぬ私には到底、深く踏み込めない話である。

話し込んでいる間に最後のお客さんが帰って、しばらく、静かな店内になった。
向こうの椅子に腰かけているおばちゃんは、テレビに夢中。
食堂が好きな理由のひとつに、このゆったりした時間がある。
部活の練習をさぼっている者たちが集まる、西日差し込む卓球部の部室とでもいおうか。
この居心地の良い、頑張らなくてよい感じ。

ラーメンを啜っている最中にも、彼と話している最中にも、終始。
向こうの壁に貼ってある、水着の娘がジョッキを持って微笑んでいる麦酒のポスターが、
気になっていた。

【天候】
雨のち曇り。