1615声 蕎麦屋で一杯 後編

2012年06月04日

昨日の続き。

まず生ビールをとって、枝豆で一杯やる。
前夜思い描いていたコースと、順序は逆になってしまったが、
「蕎麦屋で一杯」と言う念願が果たせて嬉しかった。
群馬の話、埼玉の話、そして俳句の話。
音楽に国境はないと言うが、俳句に県境はない。
なんだか、俳句の方は随分とスケールが小さくなってしまったが、
年齢性別などの垣根を越えて、「俳句」で繋がれるので、飲んでいても安心である。
ともすれば、同世代の男女と飲んでいる方が疎外感を感じてしまうかもしれない。

最後の日本酒の四合瓶を空け、締めとして、みなでざる蕎麦をたぐってお開きとなった。
ほろほろと酔っているが、時刻は午後六時前である。
葉桜の長い影が横たわっている、夕日の参道を歩きつつ、駅を目指す。
大宮の方々と、礼を述べてから駅で別れた。
たいぶ酔いが回っているはずだが、時間が早い為か、まだ元気が残っている。
帰りの電車で読んでいる文庫本。
これがまた、行きの高崎駅構内の書店で購入した、
「中島らも+小堀純」の「せんべろ探偵が行く」である。
昨年、集英社から文庫化され、一度新書で読んでいるのだが、
文庫のあとがきが読みたいが為に買ってしまった。

高崎駅へ着いて、駅にほど近いラーメン屋へ入り、まず瓶麦酒とラーメンを頼んだ。
日曜日の夜の街が、なんだか思ったよりも閑散としていた。
そして、素面の街にひとりの酔っ払い(私である)と言う異物が混入しているような感覚になり、
あまり美味くないそのラーメンを啜って、駅へ戻った。
あの、蕎麦屋で一杯やって、明るい内に帰る爽快感は、くせになりそうであると、
六月の生温い夜風の中で考えていた。

【天候】
終日、晴れて夏日。