1646声 かまどうまの屋敷

2012年07月05日

夕立が去った後なのだが、とても蒸し暑い。
この気候の為か、最近頻繁にムカデを見かける。
歳時記を開けば、夏の項に「百足虫(ムカデ)」とあるので、丁度今時期。
彼らの活動が活発になるのかも知れない。

そうなるとムカデのことが気になり、本棚から図鑑を引っ張り出して来て調べよう。
そうは思うが、それが行動に移せない。
図鑑の頁一面に、ムカデの写真と共に図解されている文章を、
読む気にならないからである。
いま、思い返しただけでもいささか背筋が寒くなる思いがする。

最近見かけたムカデは、ごく小さい個体だったので、それほどおぞましい印象は無かった。
体長、3、4cmと言った具合で、チマチマ足を動かし行く姿には、なんだか愛嬌さえあった。
自宅裏のブロック塀と、風呂場で見かけた。
風呂場では他にゲジゲジも見かけている。

それで思い出したが、堀澤氏が昔借りていた四万温泉の家に初めて伺った晩、である。
季節は晩夏だったか初秋だったか、ともかく暑い晩であった。
着いてまず、玄関代わりの軒先で、小さな虫が出迎えてくれた。
良く見ると、竈馬、平仮名で書くと、「かまどうま」と言うコオロギに似た虫。
座敷に上がって、まず手を洗いに炊事場へ行くと、水道のシンクにかまどうま。
手を洗って、さて麦酒を取り出そうとすると、冷蔵庫の脇にかまどうま。
座敷で飲んでいると、テーブルの下にかまどうま。
兎も角、あちらこちらに、かまどうまかまどうまかまどうま。
昆虫が苦手な人ならば、どうにかなってしまうであろう。

はじめの間は、かまどうまを見かけると「ぎょっ」としたが、
かまどうまを踏まないように厠へ行ったり来たりしている間に、気にならなくなった。
そのまま、隣の畳で寝てしまって、翌朝。
居間でも炊事場でも玄関でも、かまどうまたちの姿を見ることは無かった。

【天候】
朝より曇りがちなる晴れ。
夜半に雨あり。