1652声 水着の娘

2012年07月11日

山深き川に水着の娘かな  諒一

のっけから、引用が自身の句でまことに芸がない。
昨年だか一昨年だか、ともかく、この句は実景である。
場所は群馬県上野村の川辺。

丁度、梅雨明け後、夏休みの初めあたりだったように記憶している。
村内の人か、村外から遊びに来ている人かまでは分からぬ。
もし村外の人ならば、上野村まで来て川遊びをしよう。
てぇんだから、相当、群馬県「通」である。

実際の景は、こうである。
川原の浅瀬で、二組の若いお母さんが子供と一緒に水遊びをしていた。
水遊び、と言ってもズボンをまくりあげて、と言うのではなく、
プールや海などのように、水着を着て、浮輪まで持っていた。
黒いパレオ付きのビキニだったように記憶、と言うか、中枢に焼き付いている。
いや、自ら焼きつけたのかもしれない。

「娘かな」としたのは、どちらも二十代前半から中盤あたりに見えた。
自分から見れば「娘」の範疇だと思うが、
この句は「熟女かな」ではいささか別の雰囲気が漂ってくるので、
どうしても娘でなければならなかった。
そして、今年もそんな意外な光景に出合えぬものかと、ひそかに願っている。

【天候】
終日、曇ったり晴れたりで、暑し。