1673声 月の水輪

2012年08月01日

夕方になると、どっと疲れが出てしまって、
夕涼みのつもりで本など読み出すと、たちまち睡魔にからめ捕られてしまう。

起きてひとっ風呂浴びて、月夜をほっつき歩きに出掛けた。
青田が並ぶ中に、一枚、水を張っただけの田圃があった。
月光に照らされる水面には、ぱちり、ぱちりと、水の輪が広がっては消えている。
輪の正体は、あめんぼの足跡、である。

闇の中、姿は見えぬが水の輪が月光を反射させてゆくので、それと分かる。
その光景を何とか一句にすべく、しばらく見ていたが、どうにも掴み切れなかった。
明るい場所へ帰って来ると、腕や足には無数の赤い丸。
気付かぬ間に、盛大に蚊に喰われてしまった。

【天候】
終日、酷暑。