汗を拭いつつ、炎天のだらだら坂を上がっていた。
駅前からバスに乗ればよかったものを、
市街地まで通じているこの坂をのぼって行こうと思ったのは、やはり。
坂の上から聞こえてくる祭囃子の興奮が、足を動かしめたのであろう。
アロハシャツの背中がびっしょりなった頃、
やっと坂の上にある沼田市街へ着いた。
うろ覚えの記憶を手繰りつつ、吉澤さんの居を目指した。
旧市街と言うのは街の様相を憶えやすいので、見覚えのある看板や商店を伝って、
迷わず到着できた。
すでに、仲間でひしめきあっている座敷に通して頂き、まずは乾杯。
目の前の往来を流れてゆく、祭半纏の若衆や、
雄大な山車を見物しつつの一杯は最高であった。
何より、沼田は夕風が心地好い。
【天候】
終日、快晴。