1679声 夜の秋の犬

2012年08月07日

立秋である。
暦の上では、今年も秋になった。

夜。
いつもの如く家の裏を散歩していると、道の向こう。
闇の中から、何やらチカチカしたものが近づいて来る。
気にしつつも、夜道なのでごく自然に「それ」とすれ違った。
すれ違ってから、おもむろに振り返り、まじまじと確認した。

犬。
なのである。
おじさんが散歩している小型犬なのだが、顔がチカチカしている。
よく見ると、顔の下についている首輪がチカチカしているのである。
そう言う電飾付き首輪が巷に売っているのか、はたまた、飼い主が開発したのか。
闇の中で照らされる犬の顔は、なんだか、滑稽に見えた。

犬と飼い主は、明るい往来の方へ消えて行った。
目の前の空き地とも休耕田でもつかぬところで、
伸びっぱなしの夏の草が、かさかさと揺れていた。

【天候】
終日、快晴。
夜風は涼し。