1689声 江戸のくらしの舟遊び

2012年08月18日

「この前の吟行は船で」
なんて話を、先日。
主に都内で句作している女流俳人に聞いてからずっと、
舟への憧れが頭から離れない。

「舟遊び」
と言うのは夏の季題で、なんだか漠然と、隅田川をゆく納涼船。
と言う江戸趣味を連想する。
芥川の随筆かな何かで読んだ記憶もあり、憧れの下地は出来ていたのである。
聞いた話もこの舟遊びで、俳句を始める前に、
浅草から台場まで水上バスに乗って、たいそう面白かった思い出がある。

思い立ったがなんとかで、行って来た、浅草へ。
浜離宮と浅草間に乗船したのだが、懸念していた混雑も無く、
快適な舟遊びができた。
冷房の効いた船内で地ビールなど飲みながら、句帖を広げる。
スカイツリーが何やら、橋の名前が何やら、
船内の観光アナウンスを聞きながら、ぼんやりと白波を見ていた。

ビル街の谷間を進んで行く舟遊び。
と言うのが、野趣には欠けているせいか、
下船して句帖を見ると、なんだか無機質な句ばかりになっていた。
それもまぁ、真実であろうと咀嚼して、炎天の浜離宮へ歩を進めた。

【天候】
朝より雷雨、のち、快晴。