1692声 小さな動物

2012年08月21日

この残暑に、ほとほとまいっている。
今日も県内最高気温は館林市で37℃と言う、
洒落にもならない暑さであった。

炎天下、である。
腐食のすすんでいる外の階段で、
およそ煙草一本ほどのゲジゲジを見つけた。
じっとしていたので、何とはなしに靴で階段の隙間から落とそうとすると、
「サッ」と、目にも止まらぬ速さで、逃げてしまった。

ゲジゲジの動きは、自分の知っている限り愚鈍な印象を持っていたが、
その印象を、この一匹に新しくさせられた。
梅雨の頃によく見かけたゲジゲジは、たしかに、のそのそしていて、
その何百本かの足の動きまで観察できた。
しかし、今日の、この盛夏のゲジゲジは観察はおろか、そのスピードたるや、
暑さに浮かされて見た幻影ではなかろうかと、思う次第であった。

本当に幻影だったら、随分つまらぬ幻影なので、実際に見たと思う。
地球がどんどん暑くなっていったら、このゲジゲジのような小さな動物たちが、
幅をきかせるのではなかろうか。
人間は外へ出る事が出来ず、冷房の効いたシェルター住まい。
そして、小さな動物たちが占拠する、新しい地球。
これは、暑さに浮かされた私の幻影であり妄想である。

【天候】
終日、快晴。