1701声 片方の靴

2012年08月30日

明日で8月も果てる。
のんべんだらりとひと夏を過してしまったが、
ふと、心の残りがあることに気がついた。
道端に落っこちている、薄汚れた片方の靴の如くに、
どうでもけれど、なんとなく気になる。

海、なのである。
その心残りは、海に行けなかったことに起因している。
毎年海を見に行っているわけでも、
マリンスポーツを趣味としている訳でもないが、
妙に海のあのきらめく波のうねりが、心にちらつく。

子供時分。
夏休み明けに久しぶりに友達と会うと、
夏休みにどこに旅行に行ったかが、話の糸口だった。
海なし県に住み暮らす人間にとって、夏休みに行く海は羨望の的であった。
あの自分の感覚が、まだ、心の隅に残っているのかもしれない。
連休明けの勤め人も、「どっか行ったの」と言うのが話の糸口になっているので、
大人から子供に伝染していった風習なのであろう。

【天候】
終日、快晴。