1714声 秋の動物園

2012年09月14日

9月も半ばに差し掛かって、この頃の風をやっと、
「秋風」と実感できるくらいになった。

吹きおこる秋風鶴をあゆましむ  (波郷)

この句は動物園で出来た句だと、波郷の文で読んだ。
いまでも、「歌詠み」は題材に困ったら動物園に行くと言う。
動物園にはどこかさみしい印象がある。
それは国語の授業で、高村光太郎の「ぼろぼろな駝鳥」を習ってからの印象かも知れない。
文学にも、そして、音楽にも動物園はさみしい題材としてしばしば登場する。

この間、ある俳人が言っていた。
「動物園に行くなら秋か冬だよ」と。
空いている、と言うこともあろうがやはり、
題材としての本質が見出しやすいからだと思う。
しかし、カピバラや猿が目を細くして温泉に浸かっている姿など見ると、
どうも、心がほんわかしてしまって、創作しようなんて気分にならぬ気がする。

【天候】
終日、雲多くも晴れ。