1733声 曼珠沙華

2012年10月04日

久方ぶりに二日酔いである。
昨夜の酒席では、同席した方が日本酒党だったため、
私も麦酒党と言うことはひとまず露わにせず、合わせて飲んだ。

最近、殊に麦酒ばかり飲んでいるせいもあって、
乾杯の麦酒の速度をそのまま受け継いで、お猪口を口に運んでしまった。
二合、三合と飲む間に、だんだん脳内にも日本酒が浸透してきて、
いい心持になってくる。
そうなったらもう駄目で、気がつけば翌朝の蒲団である。

「わっ」
と、寝床で驚いたのが、真っ赤なのである。
真っ赤でも、よくよく見れば、ジーンズのポケットが綺麗に赤い。
その赤いのを持ち上げて見ると、彼岸花であった。
昨夜の帰路、酔っ払って畦道の彼岸花をポキリと一本折りとった記憶が、
おぼろげながら残っている。
あの妙に「ポキリ」とした感触がいささか不気味だった。
いま、こうやって朝日の中で眺めると、別段、感興を魅かれるでもないので、
庭へ出て土に刺しておいた。
遠目には、あたかもそこに咲いていたかのように、しっかりと見えた。

【天候】
晴れのち曇り。