14声 血だらけのせーじん

2008年01月14日

本日は「成人の日」である。
おそらく街の居酒屋チェーンでは、新成人の方々が「せーじんだかんな」と喚きつつ、
生ビールをがむしゃらに飲んでいる。
そして、ビールと同じ様な色をした髪の毛の青年は、くわえたマイルドセブンで狼煙をあげ、
「せーじんだかんな」と高らかに宣言。
やがて、すっかりマイルドセブンの様な顔色になった青年は、便器に顔をうずめつつ、
「せーじんだかんな」と弱弱しくつぶやくのであった。
なんて言う具合であろう。

まぁ良いではないか。
と思う。
便器にゲロを吐いている事だし。
特にこの時期、居酒屋の便所で良く目にするのが、洗面台やら小便器やらにゲロを吐く輩がいて…。
思い出したら、なんだか気分が悪くなって来た。

ゲロ話は止めて、私が数年前の成人の日に飲んだビールの話。
その日の夜、仲間数人と、お決まりのコースである大型居酒屋チェーンに入り、生ビールを注文。
すると、出てきたビールジョッキがキンキンに凍っているではないか。
全体的に白く粉が吹いている様な、氷細工のグラスと見間違うぐらいに。
しかし一刻も早くビールが飲みたかったので、あまり気にかけずに冷たい取っ手を掴んで乾杯。
「ウグッウグッ」っと喉を鳴らすと、何かおかしい。
良く見てみるとビールを見てみると、半分凍ってシャーベット状になっているではないか。
慌ててジョッキを口から放すと、「ベリッ」っと唇が引っ張られる様な感触。
触ってみると手には血が付く。
そうなのだ、キンキンに冷えたジョッキである為、唇がへばり付いてしまったのだ。

まったく、その日はそれでも生ビールを飲み続け、口の周りを血だらけにしながら、
私もやっぱり「せーじんだかんな」と、喧騒の居酒屋で喚いていたのであった。