20声 流れ着いた朝

2008年01月20日

気付けば一夜明けて朝。
もう昼に片足を突っ込んでいる朝。
深夜のカラオケの歌声が、耳の奥の方に微かに残っている。
寝る間際に食べたカップラーメンの方は、確実に胃に残っている様である。
そして、寝起現在位置はほのじ。
寝ていた部屋を出ると、主は厨房で格闘中。
それもそのはず、今日は日曜ランチの営業日なのである。
客間の方、テーブルに載っていた昨夜の残骸などがキレイさっぱり片付いている。
厨房に置いてある空になった無数の酒瓶。
その生々しさにいささか驚く。
「波打ち際で来た道を振り返った時、そこにはもう自分の足跡が波にさらわれて消えている」
昨夜の喧騒がまるで夢だったかの様にキレイに片付いている客間を眺めていると、その様な映像を連想させる。
なんて、大袈裟な比喩表現を使って小生意気な文章を書いているが、私がグータラなだけ。
唯、酒と言う波にさらわれ溺れ漂い、流れ着いただけ。
もちろんここは波打ち際ではないので、ちゃんと掃除をしてくれた人がいるのである。
帰り際に食った駅の立ち食いうどんが、昨日から酷使してきた胃袋に沁みる。