24声 挨拶無垢

2008年01月24日

私が保育園の敷地を通ると、向こうから4.5歳位の女の子が駆け寄ってきた。
近くまで来ると、真っ赤なほっぺを揺らしながら、大きな声で「こんにちわ」と元気に挨拶してくれた。
私は少し身体を屈めて、ゆっくりと丸い声で「こんにちわ」と返事をしてあげる。
すると女の子は少しふわっとはにかんで、可愛らしいつむじ風となって行ってしまった。

膝を伸ばしてその後ろ姿を見ながら、
「私はいつの頃から、あんな風に気持ちの良い挨拶が出来なくなってしまったんだろう」
とぼんやりと考える。
無意識に小さなため息を一つついた事に気付き、鼻を一回啜ってからまた歩き出したのだった。