スキップを暫くしていない。
もっとも、大人がピョンピョンとスキップしている姿はあまり見た事が無い。
たまーに、夜の街で見るぐらいだ。
女性がピョンピョンと跳ねていて、ヒールの着地地点を踏み外して「グキッ」なんて姿。
十中八九が酔っ払い。
しかし、大人がスキップする状況と言うのもなんだか異様である。
例えばこうだ。
黄昏迫る森の中、薄暗い山を独りトボトボと歩いている。
すると突然、前方に見える冬木立の間から絣の着物を着た女性がスキップしながら現れた。
これじゃあダメだ。
色気もへったくれもあったモンじゃない。
むしろスキップ効果で不気味度倍増だ。
黄昏迫る森の中、薄暗い山を独りトボトボと歩いている。
すると突然、前方に見える冬木立の間から絣の着物を着た女性がヨロヨロと倒れこむ様に現れた。
これこれ。
こうでなくちゃ。
私は直ぐに、スキップしながら駆け寄った。
イカンイカン、言ってる自分がスキップしてしまった。
大人ななのに。