44声 缶詰丼

2008年02月13日

本日、夕飯のおかずの一品で鯖の味噌煮缶詰を食べた。
その時気付いたのだけれど、缶詰の残汁に手をつけなくなって久しい。
つまり、鯖の「身」だけを食べて缶に残った汁は「ポイッ」。

一人暮らしの貧乏学生だった時分。
夕飯のメニューが、丼飯と缶詰一個なんて日はザラだった。
その食べ方と言えば、もちろん「On The Don」スタイル。
丼一杯によそった飯の上に、まず缶詰の汁をまんべんなく垂らす。
そして、缶詰に残っている具を、その上に「ドカッ」っと乗っけて出来上がり。
もしその日の缶詰が鯖の味噌煮だったら、夕飯は必然的に鯖の味噌煮丼になる。

缶詰を余すところ無く有効活用して出来るこの丼。
安く、手間無く、そしてなにより美味かったので、学生時分における最重要ライフラインシステムだった。
毎夜缶詰丼を食べては、「僕は缶詰と一緒にやって行くつもりです」。
などと、実家への手紙をしたためたものだ。

随分時を経た現在。
残汁はおろか、缶詰自体をあまり食べなくなった。
そうかそうか、缶詰丼があって現在がある。
ワシも幾分か大人になったのだろう。
風呂から上がり、独り言をブツブツ呟きながら、バニラアイスの蓋をまんべんなく舐めているのであった。