52声 ポテチの前には埋まらぬ溝

2008年02月21日

子供時分、友達の家に遊びに行っておやつを食べていた。
テレビゲームをしながら、ポテトチップスを二人でつついていたのだけれど、
私だけつつくペースが早いのである。
友達は、テレビゲームの合間に「パクッ」
一方私は、テレビゲームそっちのけで「パクパクパクパクッ」
友達は一枚ずつチップスを取るのに、私は三枚取りである。
「育ち」と言う埋まらない溝を、薄っすら感じていた。

青年時分になってからは気を配る事を覚え、
遠慮がちにセーブしながら食べる事もしばしば。
しかし、胸中ではいつも三枚取りを渇望していた。

そんな事を思い出して、書いている現在。
ここまで書き進めるまで、結構時間を費やしてしまった。
それは、ポテトチップスを食べながら書いているから。
三枚取りで、一心不乱に「パクッ」
未だに溝は埋まらず。