59声 六畳一間の戒厳令

2008年02月28日

先程から、いささか迫り出してきた自分の下っ腹を見つめている。
決断の時が、刻一刻とにじり寄って来る様な感覚に捕われているのだ。

そして、背中を丸めて座っている男は決断を下す。
二月二十七日午前零時。
群馬県は高崎市の隅っこにある家の六畳一間に、戒厳令はしかれたのだった。
そもそも、何でこの様な未曾有の事態に陥ってしまったのか。

上州は赤城山と榛名山の麓、丁度真ん中辺りの小さな町に…
ってな具合に、折り目正しく述べている余裕は無い。
戒厳令下の現状において、一刻も早くこの文章にオチを付けて終息に導く必要がある。

私の下っ腹が迫り出してきた、重大な要因は「ビール」にあると言う結論に達した。
これは、「そりゃ、あんたビールっ腹じゃねぇのー」と言う、私の周りの的確な助言により決定された結果である。

この様な状況を鑑みて、自らに麦酒戒厳令をしき、
日々の晩酌によって引き起こされた下っ腹クーデターの沈静を試みる。

しかし現在。
「ビール」やら「麦酒」やらと言う文字を、キーボードで打っているだけで、呻吟。
嗚呼、「ゼロカロリー」だったらまぁ良しとしよう。そうしよう。
などと、じわりじわりとハードルを下げる。
発令より24時間。
儚くも泡と共に消えて行く、六畳一間の戒厳令。