63声 摂氏十度の冷視線

2008年03月03日

私はこれでも社会人の端くれだと思っている。
ホントに社会人なのだが、まぁそんな訳で、社会人に有るまじき日常行為に対しては敏感なのである。
その上位に位置している、「昼間っから酒」と言う行為を先日、
公衆の面前で恥ずかしげも無くやってしまった。

場所は土曜日の鈍行列車内。
同じ電車でも、新幹線、特急などでは、「特急料金」なるものを免罪符の様にかざした方々が、
昼間っから酒を飲んでいる光景が良く見られる。
しかし、こと鈍行列車ともなると話は違う。
昼間っから酒なんて、余程の地方線にでも行かない限り、日常的には見られない光景である。
そんな日常色の濃い鈍行列車内、しかも四人掛けのBOXシートでは無くて、横長シートで、
陽の高い内から飲酒。
向いに座っている、部活に向うのであろうジャージ女子高生の視線を、
出来る限り無視しながら缶ビールを開ける。

早春の朝時間、伊勢崎駅構内の気温は10度
電車に即乗車、ビール渇望症状は既に重度
缶ビール開け、頭を倒して飲む角度は10℃
人々がチラ見、向けられる視線は摂氏十度
知らん振りで、頭の中流れてるのはHeyJude

するってぇと、一缶飲み干す頃にはもう、罪悪感は電車の揺れと曖昧に中和。
隣に座ってる、お母さんに抱っこされている赤ちゃんと不意に眼が合う。
まん丸の眼だ。