70声 家蜘蛛独演会

2008年03月10日

つい先程の事。
風呂場に一匹のクモが居たのだけれど、コイツが中々の役者だった。
その華麗な演技に、どことなく共感。

なんて、こんな日常瑣末的な事を書いていると、後でコレを読んでいるほんの一握りの中の一粒の読者に、
「毎日随分と辛そうですねぇ」なんて言われている光景が眼に浮かぶ。

まぁ良いのである。
日常とプライバシーの合い挽きを、量り売りしている様なこのコンテンツ。
目方〜で男が売れるならこ〜ん〜な苦〜労も〜♪
男はつらくなってる場合ではない。

湯船に浸かって、風呂場の床タイルを見つめていると、なにやらチョコチョコ動いている黒い物体。
クモである、体長1cmぐらいの。
「ピシャンピシャン」っと湯を叩きつけて、慌てるクモを見ると言う残酷な遊びをしばししていると、
途端クモが、足を丸めて動かなくなってしまった。
「あっ死んでしまった」と思った。
瞬時に悔恨の念が押し寄せ、「一寸の虫にも五分の魂なんだなぁ」と相田みつお調に呟いて、
動かなくなってしまったクモをしばらく湯に浸かりながら眺めていた。

すると、ヒョコっと起き上がって、またチョコチョコ逃げて行くではないか。
「死んだフリ」である。
道化を演じやがったのだ。
しかし、その鮮やかな演技に敬意を表して、裏の田んぼへ窓からポイッ。

押し寄せる事柄から逃げ切る為には、「死んだフリ」も良いかもな。
一寸思ってついたため息は、排水溝に渦を描いて消えて行った。