花粉症が一向に良くなる気配が、は、は、ハーックション!
ハーックション!
ハーックション!
オークションの話。
我ながら、なんと低レベルな話の導入だろうかと思うトコロだが、
くしゃみの勢いに乗じて先へ進もう。
インターネットオークションにまつわる話をひとつ。
その昔、一時期ネットオークションに凝った友人がいた。
趣味の買い物はネットオークションでほとんど済ませる、ヘビーユーザーな彼。
現代となっては一般的になったネット上での売買だが、8年前の2000年当時、
ネット上での売買は規約などが今より甘く、いささか怖い部分もあった。
そんなのお構い無し、ガンガン高額商品をネットで売買して行く彼は、連戦連勝。
よく、五万で買った物が四万で売れただとか、定価十万の商品が二万で買えただとか、
戦勝話を聞かされたものだ。
オークションの腕は良かった様であった。
そんな彼だが、遂に辛酸を舐める時が訪れる。
ある日のオークションで、彼が前々から探していた英国製のナントカと言う定価高額なコートが、
格安で出品されているのを発見。
すぐさま、絶妙なタイミングで、格安にてその商品を落札した彼。
次の日、大喜びでその話を私に鬼の首でも獲ったかの様に話す彼。
しかし、落とし穴には当然はまるモノである。
商品が彼の自宅に到着し、はやる気持ちを抑えつつ、慎重に包みを開けて行く。
商品は思った以上に保存状態が良く、その場で勝利の余韻に浸る彼であったが、
なにやら鼻を突く匂いが漂っている事に気付く。
気付いた時には、もう明らかにそのコートからだと判る程、鼻を突く異臭を放っていた。
そう、臭いコートを買ってしまったのだ。
商品の品質、値段にも満足していたのだが、唯一「匂い」だけはPCモニターからは見抜く事が出来なかった。
格安とは言っても、定価が高額なそのコートであるから結構良い値段。
捨てるに捨てられず、部屋の中には「犬のトイレ」の様な異臭が充満。
商品を手にとって見れないよりも、手にとって嗅げない方が怖い通販。