75声 チントンシャンテントン

2008年03月15日

昭和三十、四十年代に録音された、古い落語の寄席CDを聞いている。
観客の笑い声もそのまま録音されていて、非常に臨場感があるのだけれど、
その中に子供の笑い声が混ざっているのに気が付いて、いささか驚いた。

当時の落語は今とは打って変わって人気絶大。
テレビの普及前までは、大衆芸能の花形として市井の娯楽に君臨していた。
なので、現代とは比べ物にならない位、寄席なんかには老若男女が詰め掛けていたそうな。
子供社会でも然るべき人気を勝ち得ていたから、連日子供達も詰め掛けていたのだろう。

私は、子供が寄席を観ている事に驚いたのではなく、分かってる事に驚いたのである。
そうなのだ、録音されている子供の笑い声は、ちゃんと笑いのツボと言うか、
他の観客と同じ様に笑うべき所で笑っている。
これは分かっていなきゃ笑えない。

例えばこうである。

あたしゃ、幽霊に似てるって良く言われるんですよ。
へぇーそれまたどうしてだい。
へぇ、始終お足が無い。
(笑)

ってな件で、脚の無い幽霊と、お金であるお足が掛かっている事が分からなければ笑いは成立しない。
他にも、江戸時代の言葉は難しいモノが結構ある。
と言う様に、子供が良くそんな難しい言葉を知っているなぁ、と言う驚きを感じたのである。
当時の子供等は博識だ。

では現代の子供はどうか。
誠に、オッパッピーな限りである。