110声 いつまでも変わらない人

2008年04月19日

あれはたしか去年の秋頃だったか、高崎にある楽器屋での事。

休日の夕方、私はその楽器屋にギターの弦を買いに行ったのである。
弦を買うついで、飾ってあるギターの一本が目に留まった。
別に買うつもりもお金も無いのだけれど、何故か音が出してみたくなり、近くにいた店員さんに試奏のお願いをした。

高いギターだけに音が良く、調子に乗って弾いていると、先程の店員さんも親切に色々と説明してくれる。
フムフム店員さんの説明を聞いていると、突然、「おいくつですか」とその店員さん。
「25歳」ですと私。
「もしかして何某保育園でしたか」と、畳み掛ける店員さん。
「そうですよ」と私。
「抜井くんでしょ、俺同級生の何某」と、目を丸くした同級生の店員さん。
「えっ」と、丸くなった目玉が転がり落ちる同級生の私。

その同級生の店員さんと会うのは、小学校一年生以来であるから、かれこれ約20年ぶりである。
私はまったく気付かなかった。
でも、その店員さんはすぐに気付いたとの事。
偶然に驚き、20年間変わってない自分に驚いた。

旧友との再会で昔を懐かしみながら、私はいつまでもポロポロとギターを鳴らしていた。