唐突に、好きな寅さんの台詞をひとつ。
「男はつらよ」第18作「寅次郎純情詩集」より。
綾(京マチ子):「寅さん」
寅次郎 :「はい」
綾:「人間は、なぜ死ぬんでしょうねぇ」
寅:「うーんそうねぇ、まぁ何て言うかなぁ、まっ結局アレじゃないですかねぇ、
あのこう、丘の上がね人間ばっかりになっちゃうんで、
うじゃうじゃうじゃうじゃ、面積が決まってるから」
「で、みんなでもってこぉやって満員になって、
押しくらまんじゅうしてるうちに、なくなっちゃって」
「で、隅っこにいるヤツが、《お前どけよ》なんて言われると、
《あああー》なんつって海ん中へ《ポチャン》っと落っこって、
そいで、《アップアップ》して《助けてくれ助けてくれ》なんつってねぇ、死んじゃうんです」
「まぁ、結局そうゆう事になってんじゃないですかねぇ、昔っから」
「うん、まぁ深く考えない方がいいですよ、それ以上は」
この重い質問に対して、歯切れ悪く不真面目に軽く答える車寅次郎。
「寅さんは寅さん」
だから良いんだ。