115声 等身大の値打ち

2008年04月24日

唐突に、好きな寅さんの台詞をひとつ。
「男はつらよ」第18作「寅次郎純情詩集」より。

綾(京マチ子):「寅さん」

寅次郎    :「はい」

綾:「人間は、なぜ死ぬんでしょうねぇ」

寅:「うーんそうねぇ、まぁ何て言うかなぁ、まっ結局アレじゃないですかねぇ、
   あのこう、丘の上がね人間ばっかりになっちゃうんで、
   うじゃうじゃうじゃうじゃ、面積が決まってるから」
  「で、みんなでもってこぉやって満員になって、
   押しくらまんじゅうしてるうちに、なくなっちゃって」
  「で、隅っこにいるヤツが、《お前どけよ》なんて言われると、
  《あああー》なんつって海ん中へ《ポチャン》っと落っこって、
   そいで、《アップアップ》して《助けてくれ助けてくれ》なんつってねぇ、死んじゃうんです」
  「まぁ、結局そうゆう事になってんじゃないですかねぇ、昔っから」
  「うん、まぁ深く考えない方がいいですよ、それ以上は」

この重い質問に対して、歯切れ悪く不真面目に軽く答える車寅次郎。
「寅さんは寅さん」
だから良いんだ。