2314声 雪かき

2015年02月09日

一年前の今日は、前橋に大雪が降っていた。
中央商店街でミニドラマの撮影をしていて、
すってんころりんカメラがグシャ、
にならないようにとビクビクしたのを覚えている。

 

その1週間後には、記憶に新しい大豪雪。
玄関開けたら胸の高さまで雪が積もっていて、
雪の中から車を出すだけでも2日かかった。

 

僕が暮らす町内班は、誰かのうちで不幸があれば
皆で行ってお通夜の手伝いをするほどの仲なのだが、
小さな道一本先のアパートの住民のことはほぼ知らない。
朝会っても挨拶をかわす程度。

 

あの2月の豪雪時は、どの地域もそうだったと思うが、
僕の家の周りでも住民一丸となっての除雪が行われた。
何本ものスコップで雪を角田さんちの軽トラに積み、
先の畑にその雪を下すの繰り返し。
カチカチになった路面は、誰かが鶴嘴を持ってきて砕く。
途中ちょっと交代したが、キツイ作業。

 

そんな中、慣れた手つきで雪を捌くおじさんがいる。
トツーン、トツーンと鶴嘴使いも上手い。

 

「俺、実家は青森なんだよ。慣れたもんさ」

 

とおじさんは言った。アパートに住む人のようだった。
顔を見るのも初めてな気がしたし、そもそもすぐ近所に
そんな人がいることを知らなかった。格好良かった。

 

ある程度を済ませた皆の顔には、連帯感が生まれていた。
こういう状況になれば、人は、関わるのだと思った。

 

日が経ち月が経ち、雪は溶けてまた雪の季節になった。
青森出身のおじさんとは、それ以来会っておらず、
今もまだそこに住んでいるのかさえ、知らない。