一年前の今日は、前橋に大雪が降っていた。
中央商店街でミニドラマの撮影をしていて、
すってんころりんカメラがグシャ、
にならないようにとビクビクしたのを覚えている。
その1週間後には、記憶に新しい大豪雪。
玄関開けたら胸の高さまで雪が積もっていて、
雪の中から車を出すだけでも2日かかった。
僕が暮らす町内班は、誰かのうちで不幸があれば
皆で行ってお通夜の手伝いをするほどの仲なのだが、
小さな道一本先のアパートの住民のことはほぼ知らない。
朝会っても挨拶をかわす程度。
あの2月の豪雪時は、どの地域もそうだったと思うが、
僕の家の周りでも住民一丸となっての除雪が行われた。
何本ものスコップで雪を角田さんちの軽トラに積み、
先の畑にその雪を下すの繰り返し。
カチカチになった路面は、誰かが鶴嘴を持ってきて砕く。
途中ちょっと交代したが、キツイ作業。
そんな中、慣れた手つきで雪を捌くおじさんがいる。
トツーン、トツーンと鶴嘴使いも上手い。
「俺、実家は青森なんだよ。慣れたもんさ」
とおじさんは言った。アパートに住む人のようだった。
顔を見るのも初めてな気がしたし、そもそもすぐ近所に
そんな人がいることを知らなかった。格好良かった。
ある程度を済ませた皆の顔には、連帯感が生まれていた。
こういう状況になれば、人は、関わるのだと思った。
日が経ち月が経ち、雪は溶けてまた雪の季節になった。
青森出身のおじさんとは、それ以来会っておらず、
今もまだそこに住んでいるのかさえ、知らない。

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