遂に私は、巡礼を終えた。
最後に立ち寄った「桜湯」で、景品を貰い、帰路へ就く。
振り返れば、長く、険しい表情で浸かっていた、熱い湯の中。
そう、先日私が終えた巡礼ってのは、「桐生お銭湯七福神巡り」。
簡単に説明すると、「第7回有鄰館芸術祭」に際して行われた、
市内銭湯のスタンプラリー。
市内に現存する七つの各銭湯には七福神が居り、
それを、スタンプを押しながら巡って行く。
最後に訪れた銭湯で、記念の景品が貰えると言う企画なのである。
各銭湯には、スタンプ台帳となる、A3判の和紙に手書きの市内銭湯マップが描かれた、
「桐生お銭湯七福神巡りマップ」が、一つ300円で販売されている。
何処からでもスタートでき、何処からでもゴールできる。
まさに、銭湯フリークの心をくすぐる企画なのだ。
直ぐに飛びついた私は、早速、マップを一つ購入してスタート。
紆余曲折を経て(行程細部に至ってはここでは一先ず省く)、
先日、記念の景品を手にしたのである。
今、自宅の机の前、味のある手書き市内銭湯マップを眺めながら、感慨に浸っている。
「あそこの湯は熱かったな、あそこのペンキ画は立派だったな」
しかし、こうして感慨に浸っているよりも、銭湯の湯船に浸かっている方が良い。
それが、銭湯フリークではないか。
さて、もうひと巡り。