2559声 ミスター・ノーバディ

2015年10月11日

魚河岸の社長の車の助手席に座り撮影に回った。
レクサスである。
機械科を出ている癖に車に全く興味がない僕でも、
高級車であることはわかる。
走りだしから停車、ドアの開閉までがなめらか。
僕の高級車のイメージは、なめらか、なのである。

 

あの日あの時何かが違えば、
僕はレクサスに乗っていたのだろうか・・・
それはないにしても、
あの日あの時あの子を呼び止めていたら、
今も一緒だったのだろうか・・・

 

ジャコ・ヴァン・ドルマルは、
そんなことをずっと考えている監督。
老いた自分の人生の惨めさを、
近所の金持ちの幼馴染のせいだと恨み
「もしもあの時」の人生を回顧する
『トト・ザ・ヒーロー』は映画ファンの間で
静かに語られる名作だが、
それから18年の歳月のあと、
「もしもあの時」のテーマを進化させ
『ミスター・ノーバディ』という映画を作った。

 

主人公には3人の幼馴染の女の子。
もし、誰と付き合っていたら、人生がどうなっていたか。
時に圧倒的な映像美で、テンポよく映画は進む。
この、「だれと結婚していたら、どうなった」
というのは、実はとてもリアルな事とも思う。
美人だったり金持ちと結婚しても幸せは保障されない。
そして、優しい人気持ちが豊かな人同志が結婚しても、
人間は数学と違い+×+が+とは限らないのだから、
幸せな未来が待っているとは限らない。

 

僕も晩年、人生を振り返る時が来るのだろうか・・・
その頃はきっと、なめらかな車乗っちゃってるよねー。