554声 路上のハイカラ女子

2009年07月07日

夕暮れ、勤め先からの帰り道。
十字路で信号に捉まり、車列で信号待ち。
何気無く、前歩の歩道に視線を移すと、歩道に徒然と立っている、
年頃20代前半と思われる、ハイカラな女子。
徐に腰を落とし、前の車に近付いたかと思うと、ニコリと白い歯をこぼして、
運転席のドライバーにペコリと会釈。
釣られて、ドライバーが助手席の窓を下げると、そのハイカラ女子、
何やらA5判程の小さなチラシを渡している。
そして、2言3言喋ったかと思うと、また例の如く、ニコリ、ペコリ。
やがて、信号も青に変わり、車列が進む。
そのハイカラ女子、当然、私にはチラシも一瞥すらも、くれない。

以下、私の勝手なる推測。
彼女は、最近、近所に出来た、新規美容室チェーン店の従業員。
この春、美容専門学校を出て、その美容室に勤めている、新米美容師。
その美容室の営業方針に則り、当番の時には、往来で一生懸命、
クーポン券付きのチラシを配っている。
とまぁ、こんな具合かと思う。

駅に近い市街地などでは、良く見掛ける光景だが、
信号待ちの車に配るってのが、自家用車保有台数の多い、群馬県らしい。
私は子供時分から床屋、俗に言う理容室で頭を刈っており、未だに、
美容室で調髪した経験が無い。
そんな調子なので、美容的髪型関係の話は分からないのだが、
往来でチラシを配る大変さは、一寸分かる。
浅き我人生を振り返ると、駅でイベントのチラシを配ったり、
店舗入口で商品を売ったりした経験が、少ないながらも思い出せる。

そのハイカラ女子の一心な、ニコリ、ペコリを思い出しつつ、
現在、ささやかな願を認めている。
本日は、七夕。
短冊に走る筆、「幸あれ」と記す。