567声 瓦礫

2009年07月20日

昨日、昼間の事である。
高崎駅付近を車で走行中、沿道風景に絶句してしまった。
其処に在った筈の銭湯が、無い。
工事用の柵と、瓦礫の山から察するに、現在解体作業進行中。
江木橋湯。
と言う名の銭湯が、其処で営業しており、私も2度訪れた事がある。
高崎駅からも、頑張れば足を延ばせる距離にあり、旧街道沿いの情緒ある銭湯だった。
私が行った際は、いつも賑わっており、浴室内の撮影は後回しにしていた。
今夏、それも来週末辺り、もう一度訪れて、浴室内を撮影しようと思っていただけに、
非常に、心残りである。
この状況に直面し、一日経った今になって、其れが心に及ぼす影響を感じている。
街から、見慣れていた建物、それも歴史的建造物が、
忽然と消失する様を目の当たりにすると、一時、感受性は停止する。
「良い」とも、「悪い」とも、感ぜず、其処に「無い」と言う事だけ感じる。
そして徐々に、その建物に関連する事象に思いを巡らせ、「残念」と思う。
勿論、思わない人も多くいる。
やがて、街に住む人たちの記憶と共に、風化して行く。
其れは、市井生活を、少なからず無感動にさせる。