5810声 文化の成り立ち

2024年05月04日

GW期間中にもう一つ、広告で関係しているイベントがあった。東吾妻町の吾妻峡のそば、カフェ「Serenite」で行われた「GWマルシェ&ガレージセール」だ。こちらも連日大盛況だった様子。

「Serenite」は、前橋敷島でヴィーガン料理を提供していた「Mom’s cake」の安田恵久さんが場所を山里に移しはじめた小さなカフェ。縁があり開店当初にショップリーフレットなどを作成し、以後行われたイベントでも恵久さんと相談しながら広告フライヤーを作っている。今回は、恵久さんと繋がりがあったり、彼女が興味を持っている人を吾妻に招き、それぞれが大事にしてきたけれど人に譲る段階にある品々を持ち寄ってガレージセールを行う、ということが目玉だった。リサイクル、ヴィンテージなどというイメージから、広告はわら半紙にリソグラフの単色印刷を選んだ。

4日間開催のうちの2日顔を出したが、何より良かったのは出店者たちの顔ぶれの素晴らしさと、お客さんたちの気質の良さだった。常に、機嫌の良い空気が流れていた。イベントというと、特にGWのイベントというと、「こんな時くらいお金使おうかな」と無目的なお客さんと、「こんな時だから稼ぐぜー」という出店者が、物語性もなにもない場所でぎゅうぎゅうひしめき合うものが多い気がするのだが、それとは真逆の空気感があった。なぜそうなるのかと言えば、恵久さんの人間性、という一言にもなるのだが、開店から数年が経ち、すでに彼女の手の内を越えた人や場のネットワークが広がっているのを感じた。

この場の空気感やネットワーク、それを別の言葉で言い表すなら「文化」なんだよな、と僕は思う。吾妻の山間で、新しい文化は確かに育ちつつある。