5808声 声はとどく

2024年05月02日

このGWは、北軽井沢を舞台に詩人・谷川俊太郎さんとその息子である音楽家・谷川賢作さんを感じる連日だった。長野原町北軽井沢の大学村別荘地は、俊太郎さんが幼少から夏を過ごした土地。同じく北軽井沢で活動していた作詞家の寺島尚彦さん(代表作に「さとうきび畑」)と共に、地元旧北軽井沢小学校の校歌を作った経緯がある。

旧北軽井沢小学校は合併し浅間小学校となりその校歌は受け継がれ、さらに今年長野原中学校の校歌を俊太郎さん、賢作さんが手がけたことから、長野原町主催でそれら校歌を披露する会が開催された。小中学生による合唱のほか、寺島尚彦さんの娘であり音楽家である寺島夕紗子が賢作さんと共に俊太郎さん作詞によるユニークな歌を歌うという機会もあった。

このイベントの撮影だけではなく、僕は俊太郎さんの御自宅に伺いメッセージを撮影・長野原町の人たちに届ける、という仕事もさせていただいた。世界中にファンをもつ超有名詩人は、物腰柔らかい自然体の老人であった。群馬から出向いた僕らを見て「北軽井沢には土地のにおいがする人間がいた。この中には・・いないなぁ(笑)」と話されたことが印象に残っている。

それにしても、新しく生まれた長野原中学校の校歌が素晴らしい。この日居合わせた新聞記者と「これ、合唱コンクールの課題曲になってもおかしくないね」と興奮したほどだった。1番2番3番と別れず、学校名が入っていないのも斬新である。賢作さんも児童が合唱するのを聞くのは初めてとのことだったが(リハーサルもなかった)、その場が詩の力、音楽の力、子どもたちの力でえらく素晴らしい場所になったような感動があった。

長野原中学校 校歌

作詞 谷川俊太郎 作曲 谷川賢作

山々に見守られ

流れみなぎる川に抱かれて

昨日の自分を今日の自分へ

今日の自分は明日の誰かと

ともに励みともに夢見て

ふるさとを世界に結ぶ

自然に学び 人を尊び

朝の空 夜の宇宙へ

国々の境を越えて

声はとどく