2520声 寄り添う風

2015年12月11日

飛露喜は温めてもうまくない。
酸が温度に耐えられないからだと思う。
温めてうまくなる酒とそうでない酒がある。
開いている酸は、温めると酸がより外側に向かうから酒の骨格が崩れる。
酸は閉じてないと、閉じた酸を持っていないと、酒は燗上がりしない。
今日改めて飛露喜を飲んだが、甘味が先行する酒も温めてうまくならない気がした。
飛露喜は軽快な酸と一緒に甘味が口に入れた瞬間に拡がる。
而今もそう。
とても華やかだ。
この酒が人気なのは、みなそこが好きなんだろうなと思う。
こういう酒はアテがいらない。
燗酒は食中酒として優れているところが燗酒である。
昨日バーに連れて行ってもらって思ったのだが、バーにはほとんど食中酒という考え方がないようである。
酒が独立している。
それはそれでうまいし非常に酔いもする。
けれども人間の作るものは独立しきれない部分があるから面白いのにと思うのだ。

独立しきれない、の向こうには、独立する気なんかない、があって、それは一にも二にもとことん食中の酒であろうとすることである。

そういう酒は決して派手ではない。

そこに銘酒たる何かがあると思う。