575声 血の玉

2009年07月28日

図書館の本棚。
一冊の本を取ろうとすると、
「痛てっ」
と、感覚が走った。
咄嗟に右手を離し、指を見る。
人差し指の腹、赤い血が、「ぷくっ」と小さな玉になってゆく。
本を手に取り、異常を確認する。
すると、
頁の間から、
爪楊枝の先端部分が、
飛び出していた。
爪楊枝を取り出して、本を戻す。
この哀しい仕業の主は、きっと、詩が好きな人なのであろう。