3612声 パラゾール

2016年09月30日

抜井からメールが来て、9月が今日で終わりだということを知る。
まだあと一日二日あると思っていたらしい。
一日はあっても、二日はありえない。
自分の頓着のなさにハッとする。
私の借りている家は古くて、古箪笥や茶箱が幾つもある。
引き出しを開ければ、周辺はおよそパラゾールの匂いに包まれる。
パラゾールの匂いには、どこか郷愁の趣きがある。
あれを嗅ぐと、子供の頃へ一気にタイムスリップするような気分にもなる。
きっと前世も日本人だったはず、などと思ってみたり。
虫ではなかっただろう、とか。
ぼけっと箪笥の整理をしていたら、9月も終わってしまった。
雨の多い1ヶ月だった。
そう言えば何日か前にひとこえを読み返してみたときに気づいたのだが、「台風」というタイトルの回が2度ある。
今年の9月は台風もよく来た。
10月はもう少し、天気が良くなってほしい。
もう少し外に出て、日差しを浴びたい。
少し早く起きて散歩するだとか。
そう言えば、抜井の句集が発売されるらしい。
来月15日、「文學の森」という出版社から。
句集名は「真青」(まさお)、だって。
このタイトルは、例えば秋の空、みたいなことだろうか?
だとするとこの人の前世は虫の可能性もあるかもしれない。
青がテーマなのか?
買いたいと思う。
句集を持って、散歩するのもいい。
そんなことを来月の予定に入れて、9月の回はこんなところで、おしまいです。