3668声 恋乃病歌

2017年11月27日

今年の伊参スタジオ映画祭、個人的に一番テンションが上がったのは、映画の上映ではなくて『三つの朝』に出演したサニーデイ・サービスの曽我部恵一さんによる突発的ライブだった。

 

サニーデイ・サービスは、2000年頃にわざわざ北海道まで当時の友達と行った「第一回ライジングサン・ロックフェスティバル」を思い出させる。椎名林檎や電気グルーヴなどみんな知っているアーティストから、スリーミッシェルガンエレファントやナンバーガール、スーパーカーなど現在は解散した当時人気絶頂のバンドにまじり、曽我部さんの軽やかな歌声を聞いていた。サニーデイ・サービスは一時活動を休止していた時期もあったようだが近年はPVで精力的に若手映像作家と組んだりもし、若いミュージシャンからの支持も多い。

 

曽我部さん、見た目そのままに飾らない人だった。前日はライブだったとのことで機材を車に積んだまま中之条入り。誰かが「映画祭スタッフでファンがいるんですよ。歌ってくれたら良いなーなんて話してました」と言ってくれたらしく、「いいっすよ」の二つ返事。映画祭二日目のお客さんにカレーを振る舞う交流会の時にステージに上がり、ギター一本で歌ってくれた。

 

良いミュージシャンであるか否かはすぐにわかる。会場はサニーデイ・サービスを知らない人の方が多かったと思う。さらにカレーを食べながら談笑している人たちだ。けれど彼が歌い出すと、皆じっと彼の歌を聞いた。全2曲、2曲目の歌い出し前にはこんなことを言っていた記憶がある。

 

「僕が出た『三つの朝』を思った時に、この歌を選びました。僕たちがかかっている病の歌です。「Love Sick」」