3863声 痕跡の主

2018年06月12日

繁華街というほどでもないが、最寄り駅の近くに、
酒場など、いわゆる夜の店が密集している通りがある。
そのためか、朝、その近くの往来で吐瀉物をよく見かける。
雨が降っているときは、当然、その手の物は流されるので、
雨上がりの街は清浄な印象である。
今朝も昨夜の雨で流されたであろう、吐瀉物の痕跡を跨いで、
朝の駅へと向かった。
その痕跡を見かけると、それを残した主のことをふと考えてしまう。
いまごろは二日酔いで寝ているのだろうか。
それとも、ケロッとした顔で、この痕跡を横目に何食わぬ顔で、
駅へ歩いているこの人波の中に紛れているのかしら。