牛丼大手3社による夏季商戦の火ぶたが、いよいよ切られる。
なんて言うニュースが、丁度昼時、運転中のカーラジオから流れて来た。
その槍玉にあがるのは、牛丼の並盛。
昨日からはすき家が、通常価格の30円引きで250円。
今日からは吉野家が、110円引きの270円。
そして、明日からは、松屋が70円引きの250円に設定し、
三つ巴の消耗戦で今夏を戦い抜く。
釣られて早速、街道沿いのすき家へ寄った。
注文したのは、牛丼の大盛。
これも期間中の対象商品なので、30引きの350円となる。
正午を回った店内は、やはり混雑を極めていて、小中学生から老年の方々の前を、
牛丼が飛び交っている。
「テイクアウト」
なんて言ってる方も多数居り、レジ横に列を作っている。
安かろう悪かろう。
なんて批判的な見解を述べている、牛丼ファンの方々も居るが、
私などは、味覚があやふやな方だがら、安かろう、だけで結構である。
もとい、丼の上に七味と紅生姜を山ほどかけて食べるので、
はなから味の機微など分かろうともしていない。
夢中で牛丼に顔を埋めてむしゃむしゃやっていると、隣の席に、
何やら黒い丼が運ばれて来た。
横目で覗くと、鰻丼。
否、ただの鰻丼ではない、鰻の横に牛肉が乗っているではないか。
店内に貼ってあるメニューを眺めながら、捜索すると、見つけた。
それは、「うな牛」なる期間限定のメニュー。
しかし、鰻と牛丼、ってのは豪奢な組み合わせである。
カレーと豚カツの比ではない。
その注文の主は、これが何だか、おばちゃんだかおじちゃんだか、
判然としないような人。
服装は何故か、ランニングシューズを履いた、首巻タオルのジョギングスタイル。
その佇まいからは、そこはかとなく、人の好さそうな雰囲気が漂って来る。
牛丼が安かろうが、我関せずと、一番値の張る丼を食べる。
こう言う人には、きっと、うだるような暑さも、巷で流行している熱中症なんてのも、
眼中にないのだろう。
レジで財布の小銭をかき集めながら、そんな事を思った。

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