940声 鰻と牛

2010年07月28日

牛丼大手3社による夏季商戦の火ぶたが、いよいよ切られる。
なんて言うニュースが、丁度昼時、運転中のカーラジオから流れて来た。
その槍玉にあがるのは、牛丼の並盛。
昨日からはすき家が、通常価格の30円引きで250円。
今日からは吉野家が、110円引きの270円。
そして、明日からは、松屋が70円引きの250円に設定し、
三つ巴の消耗戦で今夏を戦い抜く。
釣られて早速、街道沿いのすき家へ寄った。
注文したのは、牛丼の大盛。
これも期間中の対象商品なので、30引きの350円となる。
正午を回った店内は、やはり混雑を極めていて、小中学生から老年の方々の前を、
牛丼が飛び交っている。
「テイクアウト」
なんて言ってる方も多数居り、レジ横に列を作っている。
安かろう悪かろう。
なんて批判的な見解を述べている、牛丼ファンの方々も居るが、
私などは、味覚があやふやな方だがら、安かろう、だけで結構である。
もとい、丼の上に七味と紅生姜を山ほどかけて食べるので、
はなから味の機微など分かろうともしていない。
夢中で牛丼に顔を埋めてむしゃむしゃやっていると、隣の席に、
何やら黒い丼が運ばれて来た。
横目で覗くと、鰻丼。
否、ただの鰻丼ではない、鰻の横に牛肉が乗っているではないか。
店内に貼ってあるメニューを眺めながら、捜索すると、見つけた。
それは、「うな牛」なる期間限定のメニュー。
しかし、鰻と牛丼、ってのは豪奢な組み合わせである。
カレーと豚カツの比ではない。
その注文の主は、これが何だか、おばちゃんだかおじちゃんだか、
判然としないような人。
服装は何故か、ランニングシューズを履いた、首巻タオルのジョギングスタイル。
その佇まいからは、そこはかとなく、人の好さそうな雰囲気が漂って来る。
牛丼が安かろうが、我関せずと、一番値の張る丼を食べる。
こう言う人には、きっと、うだるような暑さも、巷で流行している熱中症なんてのも、
眼中にないのだろう。
レジで財布の小銭をかき集めながら、そんな事を思った。