4137声 君は今

2019年03月13日

東日本大震災関連の番組をいくつか見た。震災直後に現地でリポーターが出会った女性が8年がかりで亡き母と営業していた美容室を再開した話。劇作家の鴻上尚史さんが東北の高校生たちと演劇を作り上げる話。それらは8年が経ったから作れる番組でもあるのだと思う。

 

11日の夜にはNHKの「あの日の星空」という番組を見た。大停電の夜、東北地方には満天の星空が広がっていたらしい。気象の状況もあるが、一番の理由は街がまっくらだったからなのだろう。人々が口々に「いまだかつて経験したことのない悲惨な状況の中で、それでも星空がとてつもなく美しかった、けれどそんなことを口にすることはその時ははばかれた」というような内容を口にする。番組全体として情緒に訴えかけすぎな気もしたが、こんな番組があっても良いな、と思った。

 

エンディング曲はタテタカコさんの「窓」という曲だった。僕が彼女を知ったのは是枝裕和監督の『誰も知らない』の主題歌「宝石」あたりだったが、それ以降ずっと彼女の曲を聴いていた。最近聞かずにいたが、ふと思い出して「君は今」という曲を聴いた。作られたのは震災前。聞くたびに励まされていたことを、思い出した。

 

君は笑ってるかな
何を見ているだろう
僕は春をようやく
歩き出したとこだよ