4139声 きみはうつくしい

2019年03月15日

AIS。アーティスト・イン・スクール。

 

アーツ前橋が2017年より行っている、芸術分野のアーティストを前橋市内の小中高校へ派遣し、アーティストそれぞれの方法によって学生たちと創造的な行為を行う取り組みだ。今日は「アートと触れる場・きっかけを作るアーティスト」である住中浩史さんが行ってきた学内活動の撮影を行った。

 

「美術」の授業。インドアな僕はわりと好きだったように思うが、得意だと思っていた絵を描くということが、中学校くらいから僕より上手な同級生が幾人も見つかり、苦手なのだと思うようになった。鑑賞についても、ゴッホの絵は見てわかるぞ程度。どれも同じに見える西洋絵画にも古くさく見える浮世絵にも興味は持てず、「美術」は僕から遠い存在となった。

 

今でこそ、アーツ前橋や中之条ビエンナーレのおかげで、映画や音楽と同じくらいに現代美術に興味が持てるようになってきた。そして学校の空き教室に全面白塗りのギャラリーを作ったり、子どもが描いた絵を映えるように飾る什器を作ったりする住中さんの活動を見ていると、「子どもたちに足りないのは、美術を押し付けることではなく、興味を持ったり自分らしい表現ができる“場”なのだ」ということに気づく。

 

“場”を与えられた子どもたちは、目をらんらんとさせ絵を描いたり紙を切ったりしている。見て見てわたし上手でしょ?という子が作った作品よりも、無我夢中で作った子のよくわからない作品の方が胸を打つことも面白い。