4152声 あなたは太陽

2019年03月28日

天地四方を以って六合と為す。

 

穴熊のような編集作業が続く。ふと、実はめんどくさがりな自分にとって、「仕事やボランティアの名目で外に出ることの貴重さ」ったらないな、と思う。中之条町と六合が合併したのは2010年。それまでは通過すらほぼしなかった六合。中之条ビエンナーレをきっかけに訪れるようになり、僕にとって決定的だったのは日本映画大学の学生たちの六合ドキュメンタリー制作を手伝ったこと。噺家ばりにしゃべりも達者なこね鉢職人の関千代衛さん、田代原の開拓時代を知る六合納豆の山口一元さん、六合を見続けてきた山本茂先生、森で呼吸するように作品を作り続けたスタン・アンダーソンさん・・魅力的な人々を知った。先日、伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞で今年夏撮影する六合等を舞台とした映画『黄金』の撮影協力のお願いで笹谷遼平監督らと六合を回った時も、それまでの関係性に救われた。そして今夜も、中之条町観光協会が発行している冊子「nakabito」に関連した六合の人々のショートドキュメントを編集している。

 

仕事やボランティアがなければ、ぼくはほぼパソコンの前的な場所に居続けるだけで、こんなに六合と触れることはなかった。むしろ、穴熊生活の反動で「仕事やボラ活動抜きで遊びに行きたい!」欲も出てきている。川魚食べて酒飲んで温泉に入りたい!釣りは・・すーさん教えて!

 

しかし、何度足を運んでも、動画の撮影や編集を繰り返しても「六合の風土の魅力・そこに暮らす人の力強さ・過疎化に対抗できる手段」の謎が解けない。でも僕にとって六合は、僕がくらす場所から西側にあってしても、どちらかというと「太陽が登る方角」なのである。