4293声 強制終了

2020年01月25日

元気があればなんでもできる、というのはアントニオ猪木の口癖だが、ではなんでもできるその状態は、いったいどんな状態なのだろうか?元気は、若ければ若いだけある。逆に言えば元気は、生きた年月と共に減ってくる。当然、なんでもできる状態が普通だった者も、なんでもできない時間が多くなる。なんでもできない状態が訪れたとき、多くの人は元気を自分に取り込むことを考える。元気はどこかにあるかもしれないから、それをもらって自分に追加する、と考えるのである。ところが、元気は本来、自分の中から出てくるものである。なのに外から取り入れると、その取り入れた元気の持つエネルギーにより、その元気が出た反動で、疲労も蓄積してしまうということが起こる。要するに、元気物質があるならば疲労物質もあると考えるのが自然である。なんでもできない状態には、元気物質が足りないという一面があるかもしれない。一方で、疲労物質が多すぎるという一面もきっとある。この疲労物質を排出することも、元気が出るきっかけになるのである。疲労物質を排出する方法にはどんなものがあるか。一番は、寝ることだ。ところがこれが年を取ると、どういうわけか眠れなくなる。寝たのに疲れた、という状態すらときに起きたりする。これは、眠るために必要な元気物質が足りないから眠れないのかもしれないし、逆に、疲労物質がありすぎて眠れないという、とても皮肉な場合もある。飲みすぎたときなんてまさにそれだ。他には断食なんかも、あれは疲労物質をわかりやすく排出できる。身体がリセットする。風呂もそうだし、温泉もそう。これは強度の差。他にはなんだろう。ただ太陽を浴びる、なんていうのだってそうだろうし、森林浴や海水浴もいいだろう。要するに、この、これらの多くに共通するのは、地球力を浴びることである。地球力が、疲労物質の排出、ひいては緊張、交感神経のシャットダウンをしてくれる。まさに強制終了である。疲れてしまい、次の元気がやってくるまで待てないときがある。そんなときは、強制終了が必要である。私はそういうときに、神川町の温泉、白寿の湯に来る。今日も来た。いま、風呂から出たところ。強制終了である。後ろで2歳くらいの女の子が、「おれんじじゅーしゅのみたーい」とずっと言い続けている。駄々をこねている声でもなく、かわいい声でずっと繰り返している。この子も元気がほしいのだろう。