4721声 巨大な機織り機

2021年03月22日

うちの隣にあるアパートには、西岳拡貴というアーティストが住んでいる。アーティスト・・ガチでそれをしている友人知人も多くなったので、こんなこと言っちゃいけないのだが、なんだかうさんくささも感じる呼び方である。自称アーティストという言葉は、いい意味で使われているのを見たことがない。・・が、そんなことはさておいて、西岳くんは、根っからのアーティストだと思う。

 

アートに関心がない方にも理解しやすいことだと、彼は「nakanojo craft project」を立ち上げ、仲間とともに「クラフトチョコレート」(カカオ豆の焙煎からはじめて、テンパリングと呼ばれる技術で練り上げて成形・凝ったパッケージ化までする)を作っている。そのチョコは中之条ガーデンズやつむじやスーパーまるおかで大人気。バレンタイン時はネットでの販売が売り切れになった。そして実際に、このチョコレートはワインやウイスキーが欲しくなる大人なチョコであり、とてもおいしい。

 

その一方では、それこそ中之条ガーデンズの什器を作ったり、そもそも中之条町に来るきっかけになった地域おこし協力隊としての中之条ビエンナーレの運営サポートで海外作家のアートをインストール(設置)したり。憎いくらいに(何の嫉妬?)なんでもやれる。

 

彼は今年度、前橋のアーツ前橋でも「あーつひろば」と名付けられたサポータープログラムを担当した。その成果物(実際は途中経過)は現在、アーツ前橋1階に展示されており、展示の補助になるための映像を僕が担当した。彼が行ったことは「アーツ前橋のサポーター(応援者)が持ち寄った様々なものを、1つの織物にする」こと。そのための、巨大な機織り機を、彼は独学で作ってしまった(そんな雑な説明で意味が通じるだろうか)。

 

アーツ前橋で起きた作品の紛失はニュースにもなってしまったが、展覧会がないこれからの期間、その「機織りワークス」は建物の外からでもご覧いただくことができるので、近くに言った際にはぜひ見ていただきたい。