1036声 浴場における文化と文明

2010年11月01日

先日の酒席で、公衆浴場における、入浴マナーの話になった。
話題は、「マナーの乱れ」、であった。

そのマナーの乱れを憂いていたのだが、私は、こと巷の伝統的な銭湯に関して、
マナーの秩序は保たれていると感じている。
反面、日帰り温泉やスーパー銭湯、それも近年できた大型の施設ほど、
マナーの秩序が乱れていると感じるのだ。

例えば。
これは若者に多いが、浴室の中にバスタオル巻いて入っている。
湯船に漬けなければ、別段、衛生的に悪いところもなさそうだが、
タオルがビチョビチョのまま、脱衣場へあがる人が多い様である。
そして、最近多いのが、サウナで携帯。
防水機能つき携帯電話の普及が、如実に表れている。
この人たちは、自宅の風呂でも、電話しながら入っているのだろう。
文明の利器は、入浴作法をも凌駕する。

しかしながら、風呂に入っている時くらい、文明と言うか、
現代社会から解放されても良いのではないかと思う。
私などに至っては、現代社会から逃げる様な心持で、銭湯へ行く。
そして、一度暖簾をくぐって、真っ裸で湯に浸かっていると、
しばし社会の仕組みから解放されたようで、非常に心持が好い。

技術の進歩により、携帯電話に留まらず、
情報端末やゲーム機の類は確実に、公衆浴場文化の中へ流入してくるだろう。
流入して氾濫し、そして定着してしまうのだろうか。
電車内の携帯電話や化粧のように。

【天候】
朝より強い雨。
午前10時頃には上がり、晴れて、暖かな一日となる。