1039声 食卓の配役

2010年11月04日

いよいよ、秋の暮である。
秋気も日を追う毎に、強くなってきており、
吹く木枯らしに冬の気配を感じる。

季節が変わってくれば、やはり、食卓に並ぶ食材も変わって来る。
っても、旬の味覚とは縁遠い食生活を、送っているので、
容易にその食材を列挙し得ない。
その中でも、今日の夕餉において、
食材からではないが、深まる秋を感じた一幕があった。

夕餉に並んだのは、スーパーの値切り寿司、いや、にぎり寿司。
割引シールが貼ってあったので、つい。
私は、寿司が好きなので、喜々として箸を進めていた。
進めて行くのだが、いまいち、速度が出ない。
寿司が美味しくない訳ではない。
それは、冷たい、からなのである。

スーパーのにぎり寿司ってのは、握ってから時間が経っているので、
当然、冷たくなっている。
秋の半ば頃までは、それが少しも気にならなったが、晩秋の今は、気になる。
あまり冷たいと、舌が味の輪郭を掴めない様な、ぼんやりとした味覚になるので、
大いに損をした様な心持がする。

しかし、その合間に飲む、熱いお茶が、とても美味く感じる。
お茶ばかりガブガブ飲むので、お腹が一杯になってしまい、
やはり、損をした様な心持である。
これとは逆の原理で、おでんを食べている時は、
冷たい麦酒が美味く感じる。
麦酒の方は、ガブガブ飲むと、次第に好い心持になってくるので、
こちらの方が問題ない。
どうやら、寒い時期の食卓の主役は、温かいものに譲っておく方が、
理にかなっている。

【天候】
雲一つない秋晴れの一日。