1041声 湯河原で、一寸、赤面

2010年11月06日

どうにかこうにか、行って来た。
湯河原へ、である。

未だ夜の明けきらぬ高崎を出て、湘南新宿ラインは一路、首都東京を目指す。
寝ぼけていてどこでどう乗り換えたかもおぼろげな状態で、
乗車しているのは東海道線。
小田原駅を過ぎたあたり、秋晴れの空に、浮かぶ富士山を見て、目が覚めた。
淡い空の色と相まって、まさに、銭湯のペンキ絵。

湯河原へ着き、一通り、吟行会スケジュールに則る。
沢の小径を、黛まどかさんと一緒に吟行して行く。
その参加者は、ざっと百数十名。
秋気が澄んでいて、とても心地好い。

吟行会の表彰の後、雪崩式に、「第10回湯河原文学賞俳句の部」の表彰式。
名前を呼ばれて、表情を受け取る。
ってのは、最後を遡れば、高校の卒業式以来ではないか。
その時は校長先生、今日は湯河原町長。
旧式ロボットの如く、ぎこちない動作で表情を受け取り、席へ着く。
表彰式。
って事で、学生諸氏は制服。
一般の受賞者の方は、ややフォーマルな装い。
その中、私だけが、ジーンズにウィンドブレーカーの遊山スタイル。
一寸、赤面。

宿泊はせずに帰路へとついてしまったが、
老舗の湯宿へ泊まってみたいものだ、と思った。
温泉街自体は、やはり寂れているのだが、海が近いだけに、
鮮魚店や海鮮居酒屋等が目立ち、群馬県人にとっては、新鮮である。
漱石に藤村に芥川、その他、文学界の巨匠たちも訪れている。
ってのは、正直、或る程度の規模の温泉場なら、何処でも耳にする話。
しかし、そう聞くと、やはり湯気の向こうに思いを馳せてしまう。
湯河原の街で感じたのは、あたたかさ。
それは勿論、気候だけでない。

【天候】
終日、秋晴れの一日。