1042声 波郷を訪ねて砂町へ

2010年11月07日

安宿の今朝は、冬。
昨夜の湯河原から、懸念していたように、真っ直ぐ帰っては来れなかった。

端的に顛末をば。
「ピルスナーウルケル」ってなチェコの麦酒があって、
それを日本で飲める店は少ない。
少ない中で見つけたのが、池袋にある一軒のビアバー。
行って、飲んで、店を出て、別の店で、飲んで。

と言う事で、折角都心にいるから、ってんで、今日出掛けたのは、江東区。
その「砂町文化センター」にある、「石田波郷記念館」。
波郷俳句の世界を観たかった事もあるし、砂町にある「砂町銀座」へも、
一度行きたかった。

総武線「亀戸駅」からバスに乗って、まずは砂町銀座へ。
商店街は、元気である。
狭い露地には、肩が触れ合うぐらいの人出。
商店の売り子たちの活気。
物と人が溢れる、猥雑さ。
市中に一軒の、老舗おでん屋。
湯気の向こうには、おでん種を作っている、おばあちゃん。
その店の前を通った時には、昼食を食べたばかりの満腹を、疎ましく思った。

砂町文化センターは、砂町銀座の脇に在る。
石田波郷記念館は、その2階に在るのだが、
入場料が無料と言うのがありがたい。
ひとしきり見学を終え、館外へ出ると、もう日暮。
近所に在る砂町小学校の子供たちだろうか、笑みを全身でこぼしつつ、
公園内を駆け回っている。
私もこの子供たちも、平和な日本の一日を過している。
波郷の句を噛み締めらながら、商店街の雑踏の中を行く。

はこべらや焦土の色の雀ども (波郷)

【天候】
終日、冬晴れの一日。
立冬だが、寒気は緩んでいる。