原美術館ARCで9月6日まで開催している「安藤正子:普通の日々」展に関連し、安藤さん自らによる作品解説イベントを撮影した。
安藤さんの絵は今までにも拝見していたが、仕事とはいえ撮影でその人となりを知ると、いちファンになってしまった。技巧を凝らした平面絵画を描き続け、ある時筆が進まなくなる。その時安藤さんが行ったのは陶器、立体物を作ること。絵でも描き続けてきた子どもなどをモチーフに立体作品を作り続けるうちに、またそこから平面を描くことに戻ってきた。今回の展示のメインとなる《ニューノーマル》と名付けられた焼き物作品群は、猫、バナナ、スイカ、花など身近なものをモチーフとしながらも、その制作動機には今行われている戦争への悲しみがあるという。
何より、普通の日々の中で見た人や物を描いたり造形したりしていても、そこから感じるのは単なるかわいらしさではなく、親しみやすさともきっと違う、神聖な、不思議な感覚なのだ。何より、「その手法で世界に認められたからそれを続ける」ではなく、その時その時で(他者評価ではなく)自分が切実な表現を繰り返し、それが度々他者から称賛される表現と重なる、という誠実さが、作品に一貫されている。ぜひ、空気も美味しい渋川の原美術館ARCまで足を運んでいただきたい。

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