3664声 ひかりのたび

2016年11月20日

澤田サンダー監督『ひかりのたび』

 

このタイトルを、覚えておいてほしいと思う。伊参スタジオ映画祭では毎年全国から映画シナリオを公募、中編短編の最優秀作品に賞金贈呈と映画化の手伝いを行うのだが、澤田監督はシナリオ公募始まって以来の「2度目の大賞受賞」となった。

 

その審査会では、作家の横山秀夫さんはじめ審査員の皆さんが「同じ監督に2度賞を与えるのは良くない」という意見を口にした。けれど、それを抑えこむくらいに、『ひかりのたび』のシナリオは良かった。僕もまた、ハッピーでもないし大きな動きがあるわけでもない、むしろローテンションながらふつふつと感情がほとばしり、田舎町のごく小さな人間関係を描きながら、2010年代の時代の空気も纏ったような・・そのシナリオに魅了された。

 

伊参スタジオ映画祭3日目、昨年の短編大賞作品・船越凡平監督『とっとこ将太』(この作品も、沢渡温泉で撮影され子ども目線の人情話にジンとくる良作です)の上映に続き、『ひかりのたび』が上映された。上映後の監督・キャストを壇上に上げてのトークは僕が司会をしたのだが、映画をはじめて観たキャストの一人がこう言った。「シナリオがすごいと思っていましたが、出来上がった映画はそれ以上でした」と。

 

めっかった群馬は、映画について言及する場ではなく、酒をちびりやってぽつらぽつら呟く場であるので(確かそうですよね)ここらへんにしておくが、この上映に留まらず、話題に上がる映画に育っていくに違いない。一般上映に向けてのクラウドファンディングも始まっているので、なんだか気になった方は読むだけでも読んでください!

 

『ひかりのたび』劇場公開プロジェクト
https://motion-gallery.net/projects/hikarinotabi