朝起きると足がむくんでいる。部屋の湿度計は80%を指していた。外気から吸収した水分は屋内に溜まったまま。そこにいる私ももちろん吸収してしまう。梅雨真っ盛りである。ラジオで50歳の女性リスナーが、「今日は更年期の症状で仕事を休んだ」と投稿があった。お互い大変ですねと思いながら、本当に50歳になって急に肉体的な重力は増すのだと、同世代の他人のラジオ投稿で再確認した。少しでも無理するとそのツケははるかに大きくなり返ってくるため、休みに喜び勇んで遊ぼうものなら、次の日は事実上休みのような動きしかできない。若い頃に年寄りを見てどうしてこの人たちは家にばかりいるのだろうと不思議で仕方なかったが、不用意に外出などしてはしゃいでしまったらその後の家の中での生活すらままならなくなるという現実もあるのだと、50歳を過ぎてわかった。年上の人に老化話をすると叱られるが、若い頃から老い支度をしてきた者としてはリアルな実感である。リハーサルは終了。リアルな初老として生きる決意である。